60年目の暑い夏の日
 「ヒロシマ」、「ナガサキ」そして終戦から60年が経過しました。各地で原爆や戦争の悲惨さを後世に伝えようとする取り組みが行われています。ヒロシマやナガサキでは、チンチン電車の中で、被爆体験を語りかける。簡単なことのように見えますが、語り部たちにとっては、辛い思いを乗り越えなければならない大変な取り組みに違いありません。何が彼らを駆り立てているのでしょうか。
 戦後60年。暑い夏の日は繰り返しやってきます。しかし、その夏の暑さに痛みを感じる「こころ」、そして本当の平和を得るために何が大切かを痛切に感じ取る「こころ」が、徐々に薄らいでいく日本社会に、危機感を募らせているのが、彼ら語り部たちではないでしょうか。
 そんな彼らの思いとは裏腹に、今の日本のトップリーダーたちは、何を考えているのでしょうか。
 日本の安全を守ることは大切です。他国のようにふつうの近代国家であれば、安全を確保するために必要最小限の戦力を持つのは当然のことなのでしょう。しかし、終戦後の日本のリーダーたちは、単なる日本の安全だけでなく、世界の平和を目指し、国民もそれを支持してきました。憲法9条を誇りとし、世界中の人々が飢えと戦渦に脅えることのない世界を理想として求めてきたのです。
 衆議院が解散し、9月11日には総選挙が行われます。今回の選挙が郵政民営化だけが争点のように言われていますが、その先には、平和憲法の改悪が巧まれています。目先の課題だけにとらわれず、日本の未来をリーダーたちがどのようにしようとしているのかを見極めなければなりません。
決して、私たちが過ちを繰り返すことのないように・・・。 2005年8月15日

若者に夢を与える政治を

最近、10代から20代前半の若手作家の活躍が目覚ましいとのことです。このことは結構なことですが、それらの文学の基調は「生きにくさとサバイバル」だそうです。
 また、先日、ある大学教授が、最近の学生の印象を一言で言えば「明るい絶望感」であると言っていました。
 さらに、昨年秋、文部科学省所管の教育研究機関が行った、日本・アメリカ・中国3カ国の高校生の意識調査によれば、自分の将来に明るい希望を抱いている日本の高校生は全体の24%にとどまり、3カ国中最低だったことが分かりました。将来に備えて、しっかり準備しようという、米・中に対し、日本は「今が楽しければ」という享楽志向が強く、学校以外では勉強しないという割合も際立って高かったとのことです。
 こうした結果について、教育評論家の尾木直樹さんは、「今の高校生たちは学校や社会に居場所が見出せず、自尊感情も薄いまま、身近で小さな世界に閉じこもっている。極めて深刻な状況だ」と指摘。「スポーツや文学の世界では若い才能も伸びてきている。大人は『今の若者は・・・・』と批判するだけではなく、ボランティア活動などの社会参加を促す仕組みを整備し彼らを受け入れていくことが重要だ」と提案しています。
 「ニート」や「パラサイト」「フリーター」という言葉に象徴される現象や、少年の凶悪犯罪の増加等、閉塞的な社会経済構造が様々な難しい問題を引き起こしています。  次代を担う若者が夢と希望を持てる社会にしていくために、政治の責任は誠に重大です。 (2005/5)

住民に身近な社会保険行政は自治体で実施を
 2000年4月施行の地方分権一括法によって、社会保険行政が国の事務に切り替えられ、2002年4月には国民年金事務も市町村から国へ移管されました。そのため、2002年度の国民年金納付率は、前年度比マイナス8.1%と過去最高の落ち込みになるなど、年金の空洞化に拍車をかけることになりました。
 先の通常国会でも、このことが取り上げられ、坂口厚生労働大臣も「国一元化は失敗であった」、「地方の方がきめ細やかであった」と答弁しています。
 本来、住民と関わりの深い医療・年金等の社会保険行政は、福祉や雇用等と密接に関係しており、都道府県と市町村の協力で総合的な施策として行うべきです。そのため、地方分権一括法成立時においても、多くの異論が出されたことから、地方分権一括法附則第252条に「社会保険の事務処理体制、これに従事する職員の在り方等」を検討するとされています。
 そこで、この間の経緯を踏まえ、住民に身近な社会保険行政は自治体で実施することを強く求めます。

市町村合併は慎重かつ周到に
 第2回定例県議会において、市町村合併の前提となる市町村合併の前提となる市町村の廃置分合に関する県知事承認の案件が提案され、賛成多数で承認されました。
 承認されたのは、新豊後高田市(豊後高田市・真玉町・香々地町)、新臼杵市(臼杵市・野津町)、新宇佐市(宇佐市・宇佐郡2町)の3地域です。既に承認済みの新佐伯市(佐伯市・南海部郡8町村)と合わせて、4地域ですべての合併手続きを終えたことになります。
 また、新大分市(大分市・佐賀関町・野津原町)、新竹田市(竹田市・直入郡3町)も県知事への申請手続きを終え、次の県議会に提案される見込みです。
 最初から市町村合併の対象となっていない別府市、合併協議の過程で対象から外れた津久見市を除き、法定協議会が設置されている他の7地域においては、一部住民の反対、議会の反対、議員定数の取り扱い、職員の勤務労働条件、庁舎の位 置、新市の名称等を巡って悩ましい論議が続けられています。
 今進められている市町村合併は、国・地方合わせて750兆円にも上る危機的な財政状況の中で、基礎自治体である市町村の規模を大きくすることによって行政コストを削減しようとする自治体のリストラに他なりません。
 三位一体改革の名の下で進められている、地方交付税や補助金の相次ぐ削減により、例え合併しても数年先には財政破綻をもたらすという試算結果 も公表されています。
 来年3月末の合併特例法の期限内に合併申請を行わなければ、合併に関わる財政的な優遇措置がほとんど無くなるという制約の中で、合併の作業が拙速に進められていることも否定できません。
 市町村合併で自治体の規模が大きくなることによって行財政基盤を強化するという本来の目的を果 たし、周辺部における行財政基盤を強化するという本来の目的を果たし、周辺部における行政サービスの維持と定住条件の整備や独自のまちづくりの存続等、懸念される課題をいかに克服していくか、住民を主人公にした慎重かつ周到な取り組みが求められています。

モンゴルに学ぶ

 先日OBSラジオの「アジアの学校」(毎週土曜日、午前8時30分)で、担当の海原みどりアナウンサーから、大分モンゴル親善協会理事としてモンゴルについてのインタビューを受けました。
 インタビューではモンゴルの大自然のすばらしさやこれまでの大分とモンゴルの関わり、大分モンゴル親善協会の取り組み等について話しましたが、実は時間の関係で言い足りなかったことがあります。
 かつて、モンゴルはユーラシア大陸全域に猛威を振るっていました。日本も2度襲撃を受けました。しかし今、モンゴルはロシアと中国という2つの大国に挟まれています。2つの大国との友好関係を保ちながら主体的に国家の運営を進めている「したたかさ」は敬服に値します。
 また、従来は社会主義国でしたが、国民の民主化要求に応えながら、血を流すことなく円満に民主化を進めてきました。
 わが日本はと言えば小泉内閣になって、益々対米従属主義姿勢を強めています。モンゴルから学ぶべき事が多いのではないでしょうか。

 


「イラクの復興支援は自衛隊を派遣することではない」

イラク復興支援特別措置法は、国民の半数以上の反対と野党議員の強い抵抗にもかかわらず、去る7月26日未明、強行可決されました。 ブッシュアメリカ大統領が大規模な戦闘の終結を宣言した5月1日以降、死亡したアメリカ兵が70人に達するなど治安状況はきわめて悪化しています。
また、8月以降国連事務所やモスクなどの非軍事施設への爆弾テロが相次いでいます。そのため、日本側の想定していた派遣地域や活動内容の調整が難航するのは必至といわれています。
 小泉首相も記者会見で、「自衛隊を派遣しなければいけない法律ではない」と述べ、自衛隊を派遣しない余地も残しています。疑問点の多い法案を強引に成立させ、米軍支援を急ごうとした政府の思惑は足下から狂いつつあります。
 イラクの危険性は、武装集団による襲撃だけではありません。今回、アメリカ軍が使用した劣化ウラン弾による放射能汚染が深刻です。12年前の湾岸戦争時に被爆した女性たちから生まれる赤ちゃんの大半が奇形児で、次々に死んでいます。また、イラクに駐留する米軍兵士の間にも肺炎や皮膚疾患など急性放射線障害と思われる症状が広がっています。
 イラク復興支援は、国連及びNGOを中心とした医療や食料、教育などへの支援やイラク国民自身による民主的政治の確立支援とすべきです。


有事法制を発動させない取り組みを

 去る6月6日、有事関連三法案(武力攻撃事態対処法案、自衛隊法改正案、安全保障会議設置法改正案)が参議院において可決・成立しました。
 武力攻撃予測事態という概念が極めてあいまいで、政府の言う「専守防衛」の枠を超えて発動される可能性があるうえに、国会の関与も明確に規定されていないなど多くの問題点をはらんでいます。また、民主党との協議で、「基本的人権の保障」が書き加えられましたが、本来憲法に明記されている当然のことで、人権侵害の歯止めにはなりません。折角修正するのであれば、予測事態でも国民に協力を強制する物資保管命令違反の罰則規定等を見直すべきでありました。
 太平洋戦争で日本が降伏したとき、国内に434万人、国外に355万人、あわせて789万人の軍隊が残っていました。当時の日本の軍事予算は、国家の総予算の実に86%にのぼります。それだけの軍事力を備え、国家総動員法をはじめ300本以上の「有事法制」をつくっても国民を守ることはできませんでした。それが厳然たる歴史的事実です。
 議会制民主主義のもとで、有事法制が制定されるという事実を厳粛に受け止め、これから世界の人々が評価をする平和憲法を中心に据えて、有事法制を発動させない草の根の粘り強い取り組みが求められています。


政・官・業の癒着構造を断ち切れ
     〜真の政治構造改革のために〜  

鈴木宗男衆議院議員が逮捕されました。鈴木議員の部屋の前には、いつも、面 会を待つ人の列がありました。役所の幹部、業界の代表、陳情客、若手議員・・・・・。部屋の中からは、時には笑い声、時には怒声が聞こえました。「危ない橋を渡っている」と政治家の多くが気づいていたそうです。
 だが、いさめる人はほとんどいませんでした。業界の要望を役所につなぐ一方で政治資金を集めるのが、自民党の族議員です。ほとんどの族議員が程度の差こそあれ、鈴木議員に似た体質を持っているからです。
「族議員のチャンピオン」だった鈴木議員が用心深く集めた巨額の資金は、所属していた橋本派だけでなく自民党内に広く回っていました。これを機に、自民党の病理をただそうという声が党内から出ないのも当然です。
 小泉首相は、自民党の族議員体質を批判し、圧倒的な支持を集めて政権に就きました。 その小泉首相が、野党からの企業献金の見直し等「政治とカネ」の構造改革要求に応えようとしません。
 政治の信頼を回復し、真の構造改革を推し進めるためには、政治と役所と業界の癒着構造を断ち切ることが必要不可欠ではないでしょうか。 2002/8

アジアで平和のネットワークを


 私は、去る2月17日から22日までの日程で、村山元総理を団長とする日本ベトナム友好連絡会議訪問団の一員として、ベトナムを訪問しました。
この訪問は、NGO(日本ベトナム友好連絡会議)が主催するベトナム民族アンサンブル日本公演の益金によって建設されるベトナム枯葉剤被害児童リハビリ施設の起工式出席を主目的とするものでした。
 ベトナム戦争の際、アメリカ軍はベトナム全土に枯葉剤を散布しました。これを浴びたベトナム兵士が、帰還して結婚し、生まれた子供や孫にダイオキシンによる遺伝子異常が出てくるというものです。死産、奇形出産、生まれた時から寝たきり、発育不全、知的障害等、その異常は多様な形で出ています。
 この枯葉剤被害の例を見ても、戦争がいかに癒しがたい傷を残すか、明らかです。
 折りしも、今、政府・与党三党は有事法制の立法化に向けて作業を進めていますが、「攻められたらどうする」ではなくて、「いかに日本のまわりに敵をつくらないか」という視点が必要ではないでしょうか。
 日本は、第二次大戦中、アジア諸国では加害者となり、世界で唯一の被曝国として被害者ともなりました。それらの反省のうえにたって、世界に誇る平和憲法を有する日本こそ、アジアの中で平和のネットワーク構築に向けてイニシアチブをとらなければならないと考えます。

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