忠智の主張


食と農を見直そう 

いのちを守るために
 食の分野では、際限なく国際化と低価格化が進行しています。食材を海外に依存し、徹底した合理化や大量廃棄の上に「65円ハンバーガー」や「280円牛丼」が成り立っていることを多くの消費者は知りません。残留農薬など、安全面のチェックに不安がある輸入野菜。さらにウナギやワカメ等の海産物も、労賃の安い海外での生産が急増するにつれ価格は下落、日本と現地双方の生産者に打撃を与えています。「安い」と手放しでは喜べない実態が、随所に見られます。
 従来農作物には旬があり、その季節季節に食卓に並ぶ食材が決まっていました。しかし現代の食卓には、季節外れの野菜や冷凍食品が多数並んでいます。このような農産物の生産段階から輸送、加工、貯蔵、そして食卓に並ぶまでにどれだけのエネルギーを費やしているのか、改めて考える必要があります。
 日本の食料自給率は、カロリーベースで40%を切り、先進諸国の中では最低。しかも国内の農地は荒廃が進む一方です。食料の過半を外国に依存することが、いかに国家として脆弱な基盤の上に立っているか改めて認識する必要があります。
 折りしも、大分県では、地元で生産されたものを地元で消費する「豊の国食彩運動」を展開中。「医食同源」。命と健康を守るため、現在の食と農のあり方を変えるためには、消費者としての県民一人ひとりの自覚と行動しかありません。


今こそ「こころ」の復権を
最近、子どもについての、悲しい、痛ましいニュースを多く耳にします。児童虐待、学校崩壊、不登校、少年の凶悪犯罪等々。それらの根底にあるのは、心の荒廃ではないでしょうか。
 第2次世界大戦後56年間、日本は諸外国に追いつき、追い越すために経済成長路線をひた走りに走ってきました。物質的な豊かさを享受できるようになった反面、人口は都市に集中し、地方は過疎に悩み、都市部では大気・水質・土壌を含む環境汚染が深刻となりました。また、核家族化の進行とともに、対話もふれあいもない家族が増えてきました。
調査によれば、児童虐待の当事者は実の親が圧倒的に多いそうです。大人になりきらない、精神的に未熟な親たちが、子どもを生む。精神的な支えとなる家族も近くにはいない。育児に行き詰まっても誰一人彼らを支えてはくれない。結果として、子どもに暴力を振るう。
 殺人等の凶悪犯罪を起こす少年は、中流家庭に多いとのこと。物質的には何不自由のない生活を送りながらも、親とのふれあいがなく、悩みをうち明ける相手もない。精神的に追い込まれて、犯罪へとつながっていく。
 子どもたちは、学歴偏重の社会システムのなかで、競争を勝ち抜くために、学校から帰っても、毎日のように塾通いを余儀なくされ、余裕のない生活を送っている。また、遊びも、昔のように集団で遊ぶのではなく、テレビゲームなどひとり遊びが多く、遊びを通じて集団生活のルールを学ぶことができなくなっています。
こうした問題を解決するため、県は、国や市町村と連携しながら、行政、教育、警察等の関係機関が一体となり、取り組みを進めていますが、一朝一夕に片づくものではありません。
今できることは、私たち大人が、日々の生活を問い直し、つれあい、子ども、親など家族と向き合ってみることではないでしょうか。
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